住宅を購入する際、多くの人が最初に悩むのが「頭金をいくら入れるか?」という問題です。
頭金とは、物件価格のうち住宅ローンを使わずに自己資金で支払う部分のことを指します。
一般的には「物件価格の1〜2割が目安」と言われますが、実際は人によって大きく異なります。
入れるべきか・入れないべきかは、それぞれの家計や資産形成の方針によって考える必要があります。
頭金を入れるメリット・デメリット
メリット
- 住宅ローンの借入額が減るため、毎月の返済額や総返済額を抑えられる
- ローン審査に有利になる/金利優遇を受けられる可能性がある
- 精神的に「借金が少ない」という安心感がある
デメリット
- まとまった現金が必要になる
- 手元資金が減り、生活の流動性が下がる
- 低金利の今、資産運用に回した方が合理的な可能性もある
頭金を貯めてから買うのは「正解」なのか?
「頭金を入れると金利優遇が受けやすい」とよく言われますが、
それだけを理由に数年間かけて頭金を貯めてから家を買う選択が、必ずしも正しいとは限りません。
というのも、頭金を貯めている間にも、当然ですが家賃の支払いが発生します。
もし賃貸に住んでいるとしたら、毎月の家賃は“出ていくだけの支出”です。
たとえば「頭金を300万円貯めるまで3年かかる」と仮定した場合、
その3年間で支払う家賃が月8万円なら、合計で約288万円になります。
この金額と、頭金によって得られる金利優遇によるメリット(例:数十万円)を天秤にかけると、今すぐ買った方がトータルでお得になる可能性もあるのです。
さらに最近では、建築費の高騰や金利上昇も大きなリスク要因になっています。
「あと数年待った方が得かも」と思っていても、その間に家の価格や金利が上がってしまえば、逆に損になる可能性もあります。
結局のところ、「いつ買うのが一番お得か?」は誰にも分からないというのが現実です。
だからこそ、今の家計状況と将来の見通しをふまえて、納得できる判断をすることが大切だと思います。
我が家の判断:頭金を抑えて資産形成を優先
我が家も頭金については非常に悩みましたが、最終的に頭金はあまり入れず、住宅ローンを多めに借りるという選択をしました。
理由は、住宅ローンの金利が非常に低いという現状を活かし、
頭金として使う予定だった数百万円を、つみたてNISAや現金預金として資産形成に回したかったからです。
また、住宅ローン控除(年末残高の0.7%が13年間控除される)も活用したかったため、ある程度ローン残高を保っておくほうが税制面でも有利だと判断しました。
頭金を多く入れたほうが良い人は?
もちろん、「頭金を多めに入れた方が安心」というケースもあります。以下のような人は、頭金を積極的に入れる方が合っているかもしれません。
- 将来の収入に不安がある(育休・転職・独立など)
- 毎月の返済負担をできるだけ抑えたい
- 資産運用に抵抗があり、現金で払ってしまいたい
一方で、共働きで安定した収入があり、投資や貯蓄も計画的にできる家庭であれば、
無理に頭金を入れず、資産形成を優先するという判断も十分アリです。
まとめ:頭金の額もタイミングも、「自分たち次第」
頭金を入れるかどうか、そして家を「いつ買うべきか」には明確な正解がありません。
経済状況、物件価格、金利、建築費、そして自分たちのライフプラン──
すべてが変動する要素だからこそ、「今の自分たちにとってベストな選択は何か?」を夫婦でよく話し合うことが大切です。
我が家は、「頭金を抑え、住宅ローンを活用し、浮いた資金で資産形成する」道を選びました。
この記事が、頭金や購入タイミングで悩んでいる方の参考になれば幸いです。
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